築地塀の中で

姫石榴実の裂けしまま冬枯るる

姫石榴というのは園芸品種で、名の通り花も実も小ぶりで鉢仕立や庭植えにされる。

したがって、実を収穫して食するなどということは期待されてないわけで、たまたま見つけたものは霜に打たれたりして紅黒くひからびた姿をさらしているものだった。

白い築地塀のなかの光景で、かたわらに若々しい蕾を次々に開かせている蝋梅があった。