雪時雨

葛城山の懐白く凍返る

葛城山の懐まで真っ白になった。

雪時雨の雲が低く覆っていて、これが次から次へと東へ東へ流れてゆく。飛鳥方面は時雨雲にすっぽりおおわれて何も見えない。かと見ると、三輪山がみるみる曇ってゆく。
いっぽう生駒山や若草山など北の方はと見ると、そういうこともなく盆地南半分が雪時雨の趣をみせているのである。
当地も朝から雪が舞ったが積もる雪ではなく、風が強いのでただ吹雪くのみである。
明日もまた雪らしく平地では二センチほど降るとか。
温度計を見ても四度しか上がらずほんとに寒い一日であった。

景気変動か

鹿煎餅売場閑散凍返る

煎餅売りスタンドに鹿が群れている。

売り子も手持ちぶさた風でやることもないままスタンドの商品を並べ替えたり、目に見えて客が減っているのが分かる。
とくに目抜き通りを離れたスタンドは全く客が来ない。
ホテルのキャンセルも相当数に昇ると聞いているが、知事には風評被害を少しでも解消するという姿勢が見られず、「観光産業に付き物の景気変動に過ぎない」と言い放った。
観光産業に従事する者としてはやりきれない思いだろうが、公のイベント頼みという姿勢が目立つ県内観光産業としては声を大にして非難もできないでいるようだ。
昨日立春だったというのに、今日からこの冬最強の寒波が到来とあって、奈良公園界隈はまさに凍返り状態である。