勝浦の延縄マグロ

沖〆の眉目よき揚げて初の市

今日4日は初市の立つ日。

兜町は祝儀相場とは行かなかったようだが、この日勝浦漁港にかけられたクロマグロ、鬢長マグロの値段はまあまあだったようである。
まあまあと言っても、キロ七千円くらいなのでそれ相当のものだ。

南紀や伊勢では、一般にマグロのことを「しび」と呼び、食卓によくのったものである。
鈴鹿のある地区では、婚礼の引き出物としてまるまる一本のマグロをトロ箱に入れて届けられたこともあった。
全般に赤身がかっていて淡泊な味だったことを覚えているが、今思えばあれはキハダやビンチョウなどではなかったろうか。
今は、日本人の舌もずいぶん肥えてきて、トロなどサシの入った甘い身が人気だが、いいマグロとなると赤身だって馬鹿にはできないうまさがある。

マグロ初糶のニュースを見て、思い出したものがさらにもう一つある。
東京に住んでいた頃、横浜中央市場の近くで、中落ちマグロのランチがやたら安くて大変うまい店があるとかねてより聞いていて、一度も行かずじまいだったことだ。
この山国に来て、そのことがいよいよ惜しまれてくる。

代理戦争

まぐろ喰ふ民族の意地初の市

一匹1億5千万円超だと。

食文化本家の意地でずいぶん高値で競り落としたものだが、こんなことを毎年繰り返してどうなるのだ。
マスコミはネタを求めて面白おかしく報道するだろうが、竹島や尖閣諸島問題などでコケにされて鬱憤がたまった人にとっては溜飲がさがるだろうな。
最初は小さなことかもしれないが、積もってゆくと大きくなりかねない。ナショナリズムを刺激しなければいいのだがと懸念するのは杞憂だろうか。