東の顔

ケーブルカー乗り継ぐ駅へ初電車

軌道こそ見えないがケーブルカーが走るあたりは見当が付く。

近くにいながらまだ行ったことのない場所のひとつが生駒山上公園、通称「聖天さん」こと宝山寺である。
生駒まで電車で20分弱で行けるし、大阪や奈良へ出るには必ず通過する駅なのに、その駅から降りたことはない。
なぜ行ってみようと思う気持ちにならないのかというと、生駒山は下から仰ぎ見るだけで十分の魅力があるからだと思う。
とくに、山腹の四季の移ろいや暗峠にかけての鞍部の美しさにいつも目を奪われているからではないだろうか。
つまり、私にとっては生駒山は登る山ではなく下から仰ぎ見る対象なのである。
先日も車窓から見ていると、鷹が生駒を巻く気流に流されてゆくのに見とれていたし、毎回通るたびに何らかの発見があるのである。
西側、つまり大阪側の顔と東側の顔と違う面があるかと思うが、断然東側つまり奈良県側の顔が好きである。