悔やむ

卯の花の日差めぐまれ参観日

新興団地から夫婦連れ、ときには幼い児の手を引いて学校へ向かう集団の列。

昨日の話だが、どうやら近所の小学校の授業参観日だったようだ。
ほとんどが夫婦揃ってというのが我らが世代とおおいにちがう点である。我らのときはほとんどが母親が出席でたまに父親が混じる程度。土日休みどころか半ドンですらない大黒柱が多かったので必然的にそうなったのだ。
子育ては母親任せという認識が長くつづいた背景もあったにちがいない。我らも親世代と似たり寄ったりで、私もやはり参観日に出た記憶がほとんどない。今となって一回くらいはわが子の様子など見ておきたかったとちょっぴり悔やむのであるが。

静かな会話

車椅子に耳許寄せて花卯木

卯の花が早くも散り始めたようだ。

その卯の花に沿うゆるいスロープをつたって車椅子で行く夫婦がいる。押す手を止めてなにごとかささやいているような、あるいは何かを聞き取ろうとしているのか、それは分からないが、卯の花のことについて言葉を交わしているように見えた。
青葉晴のすがすがしい空気の下で、いいものを見せてもらった。

花垣

卯の花の垣を魔除けの村はずれ

多武峰山腹の集落である。

このあたりは勧請縄と言って、悪霊、疫病が侵入しないように村の出入り口に縄を張る風習が残っている集落が見られる。集落の中には、ちょうどこの時期、村に入る手前が卯の花の垣根が盛りとなるところがある。そのまま下っていくとやがて勧請縄が張られていて、垣根はその露払いみたいなものだ。

卯の花は初夏の花。今日は午後から雨模様。梅雨にはまだ遠いが、前触れの雨かもしれない。