ふくらはぎ

産土の杜明かるうす台風禍

久しぶりに家の近くを散歩した。

いつもなら車でばあーっと投函に行くところ、今日はまさに散歩日和なのでちょっと遠くのポストまで足を延ばした。
広くて真っ直ぐな舗装路を歩くのはちっとも面白くないので、近在の集落を抜けるようにして秋を堪能するルートだ。
辻つじに金木犀が香り、白萩赤萩が揺れて目も鼻も喜ぶ。
帰路は、信貴山への旧参道をたどり二十丁の里標を発見。下の集落ではたしか二十二丁だったので、お山へのだいたいの距離が推し量ることができる。毎日のようにこのあたりを歩いていた時期には、お山へも何度か登ったが、怠け癖がついた足のふくらはぎが悲鳴をあげてしまい、いたく反省の日であった。
途中二つの八幡さんに立ち寄ったが、ひとつは室町時代の重文社殿をもつもの、ここではボランティアの人が掃除中でよく整っていたが、他方は境内はきれいに掃き清められているが、鎮守の杜には台風で折られたと思える枝が散乱しており、片付けもはかばかしくないようだ。二つの鎮守さんともに宮座十人衆によって支えられており、担い手の高齢化なども影響しているのだろう。

あの熊野が

山育て里の暮らしに台風禍

一夜明けて、次々と惨状が映し出されるテレビ。
大津波の映像さながら地獄絵を見るようだ。
山間地で豊かとは決して言えないけど、父祖代々にわたって連綿と営まれてきた生活が一変する。
あの懐深い山々に囲まれた平穏な生活と美しい風景の復活を祈らずにいられない。