外は雪解の

君子蘭回り廊下の特等席

簡易ビニール温室の君子蘭が開花したようである。

株が大きくなりすぎて室内に取り込むのも大変なので、軒下に温室を用意したのが、連日の零下の気温をものともせず芽をいっぱいつけている。
観葉ものは猫の悪戯から寝室に避難させているが、君子蘭が重すぎて戸外に残したのがかえってたくましく思える。例年、君子蘭の花は4月頃なので、2月開花は初めてのことだ。

もうずいぶん前の春先、雪国の旅館に泊まったとき、回廊の日当たりがよさそうなコーナーに君子蘭が立派な花を咲かせていた記憶と重なるものがある。外はまだ雪解が始まったばかりで、蕗の薹がところどころ顔を出すような時期だったので、なおさら深く記憶に刻まれたのだろう。

部屋咲き

君子蘭房の先より緋を灯し

冬の間部屋に取り込んである君子蘭の花芽がいよいよ伸びてきた。

早いものはふっくらした房の先端から色づいてきている。まもなく花弁が開いて炎のような花が咲いてくれそうだ。例年なら部屋に取り込むのを遅くしているのでこの時期はまだ蕾すら見せないのだが、今年は部屋で暖かくしていた時間が長かったせいだろう、世間並みの時期に咲きそうだ。

子孫繁栄

君子蘭花芽ついたといふ葉書
君子蘭独り占めする狭庭かな

引っ越しの時に君子蘭の子株を差し上げた。

君子蘭はみるみる株が増えるので株分けが容易だ。逆に株分けしないと大きく成長してしまって始末に困るので、毎年のように株を更新しては鉢が増えてしまうことになる。結果、狭い庭はほしいままにあの段広の葉がのさばってしまうのだ。

当地に越してきたとき、その子株のいくつかをご近所のお世話になったかたに差し上げてきたのだが、その鉢にも花芽がついたという便りが届いた。
親株の当家のものはといえば、、、、ちょっと発芽には遠いかな。

日当たり

母見よと君子蘭おく仏間かな

外に比べて室内の気温が比較的高いせいか、日当たりが一番いい仏間に置いた君子蘭が今満開である。

例年ならばこの時期には鉢ものはすべて外に出して秋までたっぷり外気にあてるところ。しかし、今年は未だに霜注意報が出るほど朝の冷え込みがきつい日があるので、蘭はじめ室内に取り込んだ鉢物はまだ外へ出せないでいる。
もういいかと思って先発組のオレンジなどを出してはみたものの、天気予報などをみては慌てて取り込んだりする日々が続いている。明日はもう大丈夫かなと思っていたが、今テレビを見ると再び注意報が出たようである。やれやれ。