固い風

ノベルティ団扇はプラの骨にして

あれこれ整理していたら団扇が出てきた。

かつては一家に何本もあって、風を送るだけでなく虫を追いやったり、叩いて喜んだり、さまざまな使い方をしたものだが、扇風機、エアコンの普及とともに一気に姿を消してしまった。
不要品の中から姿を現したプラ骨の団扇は、おそらくそうした家庭内の使用を想定したものでなく、野外の何かのイベントで配られたものと思われる。さらに、プラ製なのでその場で捨てるわけにもいかず持ち帰ったものであろう。
あおってみたが心なしかプラの風は固いように感じた。

小道具に落ちたか

電気屋の銘が入りたる団扇かな

最近は広告で団扇を配る店も少なくなった。

コストの問題もあるだろうが、それよりも団扇自体があまり使われなくなったせいもあるだろう。
ビルや家はエアコンが完備され、最低でも扇風機が一家に何台もある世となれば、扇子は持ち歩き可能で一定の立ち位置というか用途はあるとしても、団扇は祭のアイテムに過ぎなくなった感が強い。