犬のまりころがる原の土筆かな
まだ早いかなと思いながらも、堰堤を注意深く見ながら歩いてみた。
すると、あの土筆が顔を出しているではないか。さらによく見ようとしゃがみ込んで見ていると犬を連れたご婦人が話しかけてくる。
「何かありますか?」
「ああ、土筆ね」
「ここらは犬がおしっこしたりするから食べられないよ」
たしかにおしっこだけでなく、うんこの始末さえしない飼い主がいると見えそのまま雨風にさらされているのが転がっている。
たくさん生える場所ではないし、べつに採取するつもりもないのだが、こういう堤はせめて何も気にしないで大の字になって寝転がれる場所であってほしいと思う。