短い夏

二学期の明日に始まる地蔵盆

7月24日が地蔵盆法要の日である。

ことしは23日が日曜と言うこともあって当地では今日催される。
いつもなら子供が楽しみにしているのであるが、今年はコロナ感染を心配して関係者だけで行われるところが多いと聞く。
夏休みの楽しい行事だが、夏休みは明日でお終い。子供たちには文字通り短い夏である。

夏休み最後の週末

作事方婆が指示して地蔵盆
地蔵盆作事係の前夜祭

すごい夕立の中をテント立てたり、提灯のコード引いたり。

爺ばかり朝から忙しい。しかし、龍田大社の太鼓台連ねる氏子たちゆえこういった作業は慣れたものだ。
午後三時ころにはすっかり作業を終えて、その頃には婆たちもかけつけて見栄えを確認する。
テントの中は電気も灯り、お茶やおやつも出て明日の地蔵盆を待つばかり。
こういった今も賑わう地区もあれば、爺の姿が消えて婆ばかりになってしまった、少しさびしい地区も。
いずれにしろ、子供たちの無事の成長を祈ってのいわば祭のようなもので、子供たちは今年はどんなお菓子袋がもらえるのか、夏休みも残り少なくなって最後のお楽しみである。

少子化がここにも

地蔵盆婆の好みの菓子ばかり

あと一週間ほどで地蔵盆の行事。

辻々のお地蔵さまに菓子や花などを供え、子供が無事に育つように祈る行事である。
子供たちはお菓子を目当てに集まってくるが、この少子化で町によっては肝心の主役の子供がいないという現象も見られるようになった。

爺や婆だけが集まってお地蔵様を飾る光景を見るのは何とも味気ないことである。

日中の地蔵盆

婆さまと僧侶ひとりの地蔵尊

日中、強い日差しのもとで地域のお地蔵さんに読経が手向けられている。

お地蔵さんには子供たちに配られるであろうお菓子などが供えられ、まわりには提灯が飾られて今日がお地蔵さんの縁日である地蔵盆であることが一目瞭然。おかしかったのは、背高の僧侶が読経しているあいだ背伸びするようにして婆さまが日傘をさしかけている光景だった。2時間ほどのちに通りかかった時には、もうお供えも提灯も下げられてすっかり日常が戻っていた。

もう虫が

僧侶来て香煙いよよに地蔵盆

地蔵盆というと全国的には8月下旬頃というのが一般的で、あれを見ると「ああ、夏休みももう終わりだ」としみじみしたものだった。

そう、「地蔵盆」は秋の季語である。
ところが、今日斑鳩の町を走らせていると、同じ通りに立て続きに賑やかに飾られた地蔵盆が行われているのを見た。
もともと陰暦7月23,24日のものがそのまま陽暦7月23,24日に行われているらしい。
「奈良 地蔵盆」で引いてみると確かに当地では7月に行われることが多いようである。

暦の上でも体感の上でもまだまだ夏なのであるが、実は梅雨明けの3日ほど前から家の裏の空き地で虫が鳴き始めている。日を追う毎にその数を増やし、「スイーッチョン」「スイーッチョン」と涼しげだ。
季節の入れ替わりというのは、そんな風に一度に訪れるのではなく前の季節と後ろの季節とがない交ぜになりながら、混沌とした状況のままいつのまにか新しい季節になっていくのだろう。
もう晩夏と言っていい頃だ。夏の句を詠めるのもあとわずかである。