豊穣の雨

しめやかに畑に雨降る寒九かな

寒の入りから九日目を寒九という。

この日の水は一年でもっとも澄んで、しかも体に力をもたらす滋養にあふれているという。
たしかに気温も一年でもっとも寒い時期で、菌の繁殖も抑えられ清酒に用いるには最適の時期と言えるのかも知れない。
また、この日に降る雨は豊穣を約束するといわれる、大変めでたい雨なのである。
昨夜からの雨に濡れて、心なしか下草が精気を取り戻したかのようにしっとり濡れているのが目に映った。
今年は意外に春の訪れが早いかもしれない。
正確には昨日が寒九になるわけだが、降り出したのが昨日だから寒九の雨と言っても問題なかろう。

重宝するもの

荒唇に寒九の水の適ひけり

末期の水ではない。

5日が寒の入りだから、昨日が寒九に当たるはずである。これからが寒さの本番である。
乾燥性ゆえちょっと外にいただけで唇が荒れてきて、昨日はひび割れのように、とうとう口を開けるのさえぴりぴりと痛む。今は薬用リップクリームというのがコンビニでも売られており、乾燥防止や荒れにもずいぶん重宝する。昨夜塗っておいたら今朝は大丈夫のようである。と言って、油断したらたちまち荒れてしまうので用心、用心。