溶け込む

新入生おくせず下校集団に

新学期が始まった。

はじめは給食がないのかどうか、帰りが早いような気がする。
登校も下校もご多分にもれず集団には変わりがなく、背もずいぶん大きな上級生に混じっていかにも新年生とおぼしきランドセルを背負わせられてるのがいて微笑ましい。
とは言っても、今の子たちというのは先輩に必要以上の遠慮というものがないようで、伸び伸びしているのがたのもしい。幼稚園にしても保育園にしても、幼い頃からの集団生活になれていて新しい環境でもごく自然に溶け込めるのだろうか。

送り出す

新入生まずは口座をはなむけに

郵便局で微笑ましい光景をみた。

齢格好から見れば高校を卒業したとおぼしき子が両親に伴われて新しい口座を開いている。
雰囲気としてはどこか遠く離れた大学に入学するというので、さしずめ仕送りを受け取る口座をまず開こうという場面とみえたが、どうだろうか。
半世紀以上も前のこと、つまり自分の高校卒業した頃や、子供の大学入学が決まり家人と二人であれこれ送り出しの準備をしてやった20年以上も前のことが瞬時にあたまをよぎって懐旧にひたったのである。
引っ越し業界も人手不足で、あの子の荷物はきちんと入学式前に届いただろうか。そんなことも気にかかる春である。

蛙股池に囲まれて

新入生美しき校名胸はって

学校は周囲を池と丘に囲まれていて、鶯などの囀りが賑やかだ。

さらに、池のほとりには桜が植えられており花びらに包まれて登下校できる恵まれた環境。
真新しいランドセルを背負ってやってくるのを捕まえて校名を尋ねると、「あやめ池小学校」といういかにも伝統ある美しい名をはっきりと大きな声で答えてくれた。