即吟ならず

新松子出雲駅伝ひた走る

体育の日に行われる。

三大学生マラソンの一つ。参道の松並木が続く出雲大社前をスタートしてメインストリート神門通りを駆け抜け、市内一周するコース。秋に彩られたコースには、大社の松をはじめ、出雲平野の屋敷林ともいうべき防風目的の築地松も見られる。
今年は青山学院大学が連覇。この勢いで箱根の連覇もなるか。

斑鳩・法隆寺に足を伸ばしてみた。
兼題にいただいた「新松子(しんちぢり)」をこの目で確かめるためである。

国道から南大門にかけての500メートルほどの立派な参道は、これまた堂々とした松並木である。高さ20メートルくらいにまで伸びた枝は、流れる秋の雲を背景に青松毬をびっしりつけていた。南大門を入り、阿吽の金剛力士像が守る西院中門の前にくると、ここもまた堂々とした松が頭上を覆う。格式の高い寺社には松がよく似合うようで、東大寺でも南大門から中門にかけては立派な松の通りを歩く。大仏殿に入るには中門を回廊に沿って左手(西側)の入り口に回らなければならないのは、法隆寺でも全く同じで金堂へは回廊の西側から入らなくてはならない。
こんな感じを句に詠みたかったが、なかなか即吟とはいかない。時間をかけて醸せば、何かしら形になってくるのかもしれないのを待つことにしよう。