即吟ならず

新松子出雲駅伝ひた走る

体育の日に行われる。

三大学生マラソンの一つ。参道の松並木が続く出雲大社前をスタートしてメインストリート神門通りを駆け抜け、市内一周するコース。秋に彩られたコースには、大社の松をはじめ、出雲平野の屋敷林ともいうべき防風目的の築地松も見られる。
今年は青山学院大学が連覇。この勢いで箱根の連覇もなるか。

斑鳩・法隆寺に足を伸ばしてみた。
兼題にいただいた「新松子(しんちぢり)」をこの目で確かめるためである。

国道から南大門にかけての500メートルほどの立派な参道は、これまた堂々とした松並木である。高さ20メートルくらいにまで伸びた枝は、流れる秋の雲を背景に青松毬をびっしりつけていた。南大門を入り、阿吽の金剛力士像が守る西院中門の前にくると、ここもまた堂々とした松が頭上を覆う。格式の高い寺社には松がよく似合うようで、東大寺でも南大門から中門にかけては立派な松の通りを歩く。大仏殿に入るには中門を回廊に沿って左手(西側)の入り口に回らなければならないのは、法隆寺でも全く同じで金堂へは回廊の西側から入らなくてはならない。
こんな感じを句に詠みたかったが、なかなか即吟とはいかない。時間をかけて醸せば、何かしら形になってくるのかもしれないのを待つことにしよう。

“即吟ならず” への4件の返信

  1. 新松子(しんちぢり)読みも意味も知りませんでした。
    青松かさの事ですか、なるほど新しい松の子ですものね。
    俳句って本当に奥が深い!!勉強になります。

    1. 松毬は翌年開いて種を飛ばすわけですが、リスなども好物なようで芯を残してきれいに食べます。食べた後が箒のようにみえて驚きます。
      「しんちぢり」は「松毬」が「ちちり」とも読まれるところからついた名でしょう。

  2. 「新松子」、難読・難解ですね(意味はともかく読み方は想像もつかない)。一般の人100人に訊いたら正答率1%未満でしょう。俳句をやってる人100人でも10%はいかないんじゃないでしょうか。覚えました。今度俳句仲間に出題してみます。

    1. 俳人ならかなりの人は読めなくてはいけない季題です。毎日のように歳時記見てるわけですからね。これを何年か続けたらそりゃ当たり前になるわけです。ワープロで一発変換は無理なので、登録必須の季語ですね。
      「松」は植物のなかでも一番多く取り入れられているのではないでしょうか。新年の「松」関連がわんさか、春の松は「松の花」から「若緑(松の芯、緑立つ、若松、松の蘂、緑摘む)」、夏が「松落葉(散松葉)」、秋がこの「新松子」「松手入」、冬には「敷松葉」(積もったのではなく敷いたものです)。
      松ひとつを季節によって変幻自在に詠むのですから、力量が問われるわけです。

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