使い切る

降りやまぬ街浮かびけり春の雷

雨の一日のハイライトが雷だった。

稲光りといい音といい、現象面から言えばこれはもう夏のものと変わらない。一度ならず、何度も光った。
例によってうたた寝中の猫どもはどこへ身を隠そうかと右往左往している。猫は大きな音が恐いのである。めいめいがそれぞれの場所にもぐり込んで雷が遠ざかってもしばらくは出てこなかった。
長かった雨も甲子園球場では午後から再開できるほど雨雲が遠くに去り、明日は久しぶりの晴になるという。ただその次の日はまた雨らしく、明日は束の間の晴れをフルに使い切る日としたいものだ。

あられまじり

ひとつまで聞きも流して春の雷

昨日に続き今日も不安定な天気。

午前中は春の時雨ともてはやしもしたが、夕刻になると今度はあられまじりの窓を叩きつけるような雨。
猫たちも何事かと窓の方へ顔を向けていたら、そのうち大きな雷が一発。さっと構えるような表情になる。
つい先日も雷があったばかりでまたかと聞き流していたら、今度はつづけて二三発。
思わず窓に駆け寄って空の様子を確かめる。
明日はまほろば吟行の予定で、明日の天気まで心配になってきた。