不順

春霖や順延につぐ順延に

よく降る雨だ。

三月に入って季節のリズムが狂ってしまっている。
二月が馬鹿陽気な日が多かっただけに、この落差はよけいに大きく感じる。
農作業にも間違いなく影響をおよぼすにちがいなく、春野菜などには大きな打撃となって市場の混乱も避けられないのではなかろうか。
本来なら今ごろは夏野菜の苗作りたけなわなのだが、雨と低温のダブルパンチで育苗が全然進まず頭が痛い。とにかく低温の日が続くので発芽をもたらす温度が確保できないときた。通常なら三日ほどで発根するところ、今年は一週間経ってもうんともすんとも言わずもしかしたら種自体にも問題があるのではないかとさえ怯えてしまう。
例年だと苗箱などをベランダなどで日光にたっぷり宛てるところ、こう寒くては戸外に置いておくわけにもいかず、部屋を占領していると家人からすこぶる評判も悪い。
農とはしみじみ天候に左右されるものだと今さらながら実感しているのである。
春の甲子園でも二日続きの順延となった、過去にこうしたことはあったのだろうか。

穴が開いたら

春霖や標準木の代替り

気象台が移転して十日ちょっと。

旧気象台構内にあった標準木、副標準木もお役御免となり、新しい標準木、副標準木に世代交代となったが、開花予想はとくに変化がない。
というのも、現地に植樹してから4,5年かけて大きな差がないように育ててきたからだと言う。
梅やほかの標準木も同様だろうから、気象台の引っ越しというのはなかなか準備が大変なのだろう。
だが、これだけ完璧を期して移転を果たしても、やっぱり落とし穴はあるらしい。
引っ越し二日目、どうしたことか機器故障かなにかで観測データが取れないというアクシデントがあり、日をまたぐ比較ができなくなった。と言っても、こちらはとくに困らないが、平均気温をとるとかする場合、穴が開いたらどうするんだろうかと他人事ながら気になったりしている。