催眠剤

暖房に人の背円く猫もまた

暖房を入れたらやっと静かになった。

日中暖かいときはおとなしくしているが、ちょっとでも寒くなる夕方になるとあれこれクレームを並べたてる。猫どもを黙らせる方法はただひとつ。床暖房をつけてやりさえすれば一発で収まるのが可笑しい。
同じことは人にも言えて、いくら外が荒れていようが暖房で体さえ温まればもう天国にいる気分ですぐに眠気がおそってきては誘惑に負けてしまうものである。かくて今日の予定が終われば猫どもと仲良くうとうとと。
寒冷前線が去っていよいよ本格的な冬到来である。

タイマー

床を出てまず暖房を入れにけり

室温15度以下にならないと原則暖房は入らない。

基本は床暖房でエアコンは滅多に使うことはない。
床暖房はエアコンやストーブと違って空気が回らないので埃が舞わないだけいいのだが、室温全体をあげるには不利で、その分ホカロンと重ね着でしのぐことになるが、猫がいるので夜はタイマーをかけて暖房時間を延ばしてやったり、朝の数時間だけは床暖房で人間もお裾分けにあずかる。
さいわい今年は本格的な寒波もなく、このままエアコンを使わずに済むかもしれない。

解凍

身ほとびるような列車の暖房かな

座席に座った途端、まるで体が解凍されてゆくような心地である。

電車の本数が少ないので長く待たされているあいだに体がすっかり冷えていて、電車の暖房がありがたい。ものの5分もしないうちに眼もとろとろとなってくる。