咲き継がす

朝顔や単身赴任の留守家族

小四の長男は、父の不在のあいだ芝生の水やり当番を引き受けている。

やんちゃ坊主だったが、この春からのわずかな時間できちんと留守を守っている顔に少し大人になってきた風がでてきた。
二つ下の弟にも兄らしい貫禄がついてきたようにも思う。
庭には学校から持ってきた朝顔の種を取り続けて毎年花を咲かせている。
今年も紫色の朝顔がネットに揺れている。

次の種

朝顔の実を取散らす雨の庭

夏休みも終わりに近づいてきた。

学校から持ち帰った朝顔も終盤を迎えたのに、この雨続きでは見る人もいない。
隣人の拙宅からは間近に見えて、なかには実をつけているのもある。来年の種になるのだろう。

大夕立

朝顔や保育児送る日々のまた

盆休みが終わって、お隣に静けさが戻った。

二児とも学童保育、幼児保育で昼間はいないので窓はしまったままだが、去年採った種から育てたという朝顔がいっぱいフェンスにからまっている。
昔からよくある紫がかった紅色で、この暑さを堂々と咲いている。
水やりは帰宅後されているようだが、今日は久しぶりの夕立でそれも不要のようである。
それにしても、今日の雷はしつこい。何時までも、稲光もなくただいつまでもゴロゴロと鳴るだけで、雨ともにいっこうに止む気配がない。
外に出ると、日中かんかんに照らされていた大地の熱が水蒸気とともにたちあがって、息がむせぶほど蒸してくる。雨後の涼しさなんて期待できるのだろうか。

帰省の思い出

朝顔の見馴れし色に母のがり

いつも同じ鉢に同じ色。

毎年種を採取しては蒔いているのだろうか。
帰省して最初の朝、目に飛び込むのが庭の朝顔だった。
お隣は夏休みで帰省の模様だが、保育園から持ち帰った朝顔がちょうど最盛期。垣ごしに見るのだが、暑さも尋常ではなくカラカラの天気なので、水をやらずでもいいかと気を揉んでいる。

元気の証

廃業の軒に朝顔登りゆく

奈良町吟行とくると昼は蕎麦屋が定番だった。

それが、後継者不足らしく店をたたんでしまわれて、今では放浪の飯屋探しだ。
昨日もその前を通りかかったら、店頭に朝顔の鉢を並べて通りがかりの人を楽しませていた。
どうやら、主あるいは女将さんはまだ健在らしい。

夏休み

教材の朝顔の丈揃ひけり

今日終業式だったところが多いだろう。

夏休みに入るまで校庭の隅で育てていた朝顔の背もずいぶん伸びて、みんなそれぞれ自宅に持ち帰って開花を待つだけだ。なかには、向日葵などが校庭の花壇に育てられていたりすると、夏休み中いったい誰が世話するんだろうかと思ってしまう。
こんな時代だから生物係の仕事でもないだろうし、ましてみんなが交代で世話に来ると言うことも考えにくい。警備会社に任せたままで日直の先生だっているかどうか分からないご時世だから、なおのこと気になるのである。