夏一色

百合の木の王冠めける花立つる
朴の花透けてうごめくものの影

初めて見た。

朴よりは幾分小さいが立派な葉を茂らせており、その葉陰を縫うように花をつけている。
朴の花と同じく、見上げなければならないが、ポットのような花弁に黄金色の横縞一本巡らせてなかなか気品がある花だ。
桐、朴の木も終末というかんじで春はとっくに過ぎ去った感を強くした。
まほろば句会は30度近い馬見丘陵で、若葉風にいやされる夏一色という風情。

仰ぎ見る花

二階より予約の埋まり朴の花

朴の花を上から眺める機会というのは、山登りでもしない限り少ない。

だいたいが下から眺めるだけのことが多く、一度はあの大ぶりの花を見下ろしてみたいと思う。
ある山深い宿であるが、庭に一本そびえる朴の木があって、花の時期は2階の部屋から予約が埋まっていくという。