からからと

柿落葉蹴って散歩へ犬逸る

柿を観察していて分かったこと。

「結果枝は結果母枝より早く紅葉し、早く落葉する」
実の生らなかった枝の葉は、先に落ちた葉が一様に茶色に変化するころにようやく落ちるようだ。

落ち葉は窯変さながらに、葉ごとに微妙な模様な描きながら、しまいには同じような茶というか、錆色というか土に同化していく。
もともと厚い葉なので、落ち葉が積もると意外に嵩があり、手で触れたり足で踏んだりするときの乾いた音が耳に心地よい。
柿落葉を句に詠むには、このような、色や模様、嵩、音、手触りなど五感の要素をふんだんに含むのでイメージが膨らみやすい部類に属するかもしれない。

佳句は、犬がリードを強く引っ張って散歩へ駆け出そうとする様子を詠んでみた。荒い息を掃きながら、勢いよく葉を蹴りだす音が聞こえるだろうか。猟犬なら、もっと面白いのだが黄が重なるので