露おける

桔梗の遅れて咲ける一二本
雨雫堪えてしまひの桔梗かな

とっくに花の期間は終わったと思っていた。

早ければ初夏から咲いて、八月にはほとんど終了するのが普通なので、まるで狂い咲きのように一本、二本とぽんぽん風船が膨らんできたのには驚いた。
ただ、可哀想なのは、咲き始めてからずっと雨で首を垂れていること。しかし、雨の露をのせているのもある意味風情が感じられて悪くはないのだが。

芯の強さ

ほつほつと白砂の庭の桔梗かな

庭の白砂がまぶしい。

京都・廬山寺の源氏庭の白浜に浮かぶ島には桔梗が植えられていて、7月から9月までおよそ3か月という長い期間咲き続けるようだ。
桔梗というのは蕾が徐々に風船のようにふくらんでは弾け、青紫の花弁を広げるところが面白い。次から次へと蕾が育つので、毎日のように新しく風船がひらいては目を楽しませてくれる。
花自体にははなやかさから遠いが、直立した桔梗が風にもしなやかに揺れているのを眺めていると、あらためて桔梗の芯の強さというものを感じることができる。

ステント埋め込み

採血の管くろぐろと桔梗咲く

県立病院の検査予約の日だった。

思い出せば去年の今頃、この病院で母の点滴ポート埋め込みをしてもらったのだった。まさかその一年後自分自身がここでお世話になるとは夢にも思わなかった。狭心症の疑いありと言うことでカテーテル検査、場合によってはその場でバルーンを埋め込むそうだ。軽くても1泊、何カ所も埋め込みが必要なら週末まで入院が必要だということだ。

来週水曜日の入院まで時間がないので、いろいろ済ませておくことも多く、なんだかにわかに慌ただしいことになったものだ。休まずに頑張ってきたこのブログが中断するかもしれず残念だが、病室で作句するくらいの余裕があればいいのだが。

切り花にと今年植えた桔梗が二度目の花を咲かせてくれた。今度はやや小ぶりだが白くて清楚な花だ。

紫の紙風船

紫の風船割れて桔梗かな

桔梗は別名風船花と呼ばれる。
蕾が5枚の花弁を組み合わせたまるで紙風船のような形をしているからだ。
秋の七草のひとつだが、花期は梅雨時から咲くものがある。
現に我が家の桔梗は6月頃に開くので、今まで夏の季語とばかり思っていた。
万葉にある朝顔とは桔梗のことを指すらしい。