夏秋同居

一口できれいに剥けた梨食らふ

皮も芯もきれいに処理された梨がデザートに出た。

料理もそうだが、作る手間は簡単だが食べるのは一瞬のことで終わる。
無雑作で食べてはときに少しは作った手間を惜しめとでも言うように叱られる。
感謝、感謝。感謝を忘れていては人と人との関係は保てないのは当然。夫婦となればなおさらそうだ。
梨の後は氷らせた小豆をのせたバニラアイス。
台風が過ぎてようやく涼しい朝となったが、日中はやはり30度越え。夏と秋の味覚がミックスされた午後のデザートである。

お裾分け

里方の息災にして梨とどく

お隣は鳥取・島根のご出身。

いつも帰郷のたびにお土産に土地のものをいただくのだが、半日で行き来できる距離とはいえコロナウィルス感染を怖れて今年はご両親の訪れもなく、帰省もなくてさびしい夏休みとなった。
そのかわりというわけではないだろうが、いつもの特産梨が送られきて、きょうそのお裾分けをいただいた。
今年は暑いが続いたのでよく育って甘いとのこと。ありがたいことである。

香良洲の梨

梨送ると義姉の電話の声の艶

滅多にかけないし、かかってこない電話。

世間とも距離をおいているので、毎日静かなものである。
今朝の新聞にも、還暦ともなれば友人関係も断捨離して誰にも気兼ねない人生をという記事があった。
手始めは年賀状からとあったが、それはもう古稀を機に会社関係を中心に大幅に減らした。
逆に増えているのが俳句関係であるが、これも好きな俳句を続けるための身過ぎである。
本当の意味での人間関係の断捨離などほど遠いわけであるが、それもまた浮き世。渡世である。
夫を早くに亡くし、兄の介護におわれる義姉だが、いつもの元気な声に安心する。
櫛田川河口の香良洲特産のりっぱな梨が今年も届いた。

香良洲特産

砂州の梨腕にずしんと宅配便

待ちかねていた梨が届いた。

伊勢湾の櫛田川河口にできた砂州の町・香良洲特産である。
銘柄は幸水。実は大きく、果汁も多くてたいへん甘い。
上流域は台風11号の随分の雨量で田畑が水没した土地も多いと聞くが、果樹園の被害はたいしたことはなかったのだろうか。

この香良洲の特産は他にもあって大変いい海苔が獲れるというのは案外知られていない。梨も海苔も毎夏、毎冬の義姉からの贈り物だ。