大きな囲炉裏

天窓をいぶせるばかり榾の宿

雪の中ようやく宿に着いたら大きな囲炉裏が待っていた。

囲炉裏には大きな木の根がくすぶっている。古民家風に設えられた宿の天井は高く、炉の薄青い煙が天窓へ向けてのぼっている。まずは冷えきった体を炉端で温めていると、やがて歓迎の熱い珈琲が出されひと心地する。しばらくそうしてから宿帳に記入して部屋に案内された。

何年か前に訪れた雪深い温泉旅館である。部屋も湯も食事もすべて満足できる印象深い旅館である。