ありふれた草

母子草名知ればちかうとりなして

あまり気にも留めなかった草だ。

今までは見れば引き抜いていた草だが、あらためて足許を見てみると意外にあちこちに生えているものだ。
春の七草「ごぎょう」のことだという。
葉っぱが雪割草みたいに白い毛で覆われているので、それとすぐに分かる。
何の変哲もない雑草だが、古代には草餅に搗かれてもいたという。
名前のいわれもいろいろあってどれも決定打とは言えず、「母子」というのはどうやら音からきただけで、「母子」には全く意味をもたないそうだ。
それだけに、大きく分けて、「母子」にかけて詠んだり、雑草のありようと結びつけて詠む、くらいしか思いつかない、何とも詠みにくい季語である。