五十歩百歩

涸れさうで涸れぬ懸樋の水細し

初句会は東大寺、春日大社周辺。

興福寺の新中金堂はいかにもピカピカで誰もが詠むだろうかと、あえてひとり逆のコースをたどった。
まずは東大寺へ向かう途中で吉城園に入ると、ここには句材がいっぱいで句帖にはたちまち十句をあまるものを得られた。五句出句の句会なので、これ以上場所を変えなくてもよさそうにも思えるほどだ。
吉城園は茅葺きの茶室が有名で、茶庭、つくばい、四阿、それぞれに句材がある。
ただ、出句にするのを選ぶのに迷うのはどれも五十歩百歩、帯に短し襷に長しのようなものばかりなのには参ったが。