忙しくなる

弾正が城址発する水温む

気分の問題かもしれないが底を脱したような気がする。

というのも毎日、朝晩水を使うことが多いから分かることである。
鉢に水をやるにもあまりに冷たいと可哀想な気がしていたが、これからはいくらか救われる。
啓蟄もすぎたことだし、地もまた温もり始める。
ポケットで温めていた唐辛子の種もようやく根を出してきた。いよいよ忙しくなるぞ。

霧吹き

先々で手指洗うて水温む

平群川がきらきら輝いている。

相当光りが強くなっているのだ。
農繁期の前には一部をせき止めて田水に流すようになっているが、この時期はまだその必要もなく水の勢いもおだやかで今日のような暖かい日は水温も上がっているにちがいない。
今日は何軒かのホームセンターで捜しものをしたので、出入り口を通るたび手指消毒することになった。気のせいか、いつもヒヤッと感じるアルコールの霧も今日は冷たくはなかった。
春爛漫を満喫したら明日は天気が崩れ、その後はまた平年並みの気温に戻るとか。
体がついてゆくのが大変な時期である。

余力

ほとばしる雑巾バケツ水温む

お向かいも隣りも三連休の最後は洗車の様子。

つられて気になっていた愛車のウィンドウの汚れを落としてみることにした。
おかげでぎらぎらした油汚れがすっかり落ちて、ワイパーもスムーズに動くようになった。
ついでにざっと洗車したが、ワックスまでかける余力がなかったのは年齢だと思うしかない。

汗ばむ

陪塚に小さき濠あり水温む

水面を返す日が眩しい。

水際の木瓜の花

水辺の木瓜の緋色が目に鮮やかだ。
気温は16度くらいだろうか、三月の末の気温だというからずいぶん温かい、というよりちょっと歩くと汗ばむほどである。
しばらく通らないルートではもうクロッカスが咲いていた。

クロッカス萌える

それにしても、クルーズ船のゾーニングが杜撰すぎて、あろうことか厚労省職員らがクルーズ船と国会委員会室とを行き来してたなんて。国会パンデミックになりかねないお粗末極まる所行である。

鯉の季節

大石を鯉の慕ひて水温む

野にあれば乗っ込みの季節。

庭の池にあればそうもいくまい。岩の陰で叶わぬ恋を嘆くのみか。

水際の競争

影立てば草魚寄りくる水温む
木道を草魚くぐりて水温む
真鯉には浅瀬打たせて水温む

鯉よりは長いが、鯉ほどはずんぐりしてない。

鯉かとまがう長さ三尺ほどの草魚が水際に群れている。
鴨たちにパン屑の餌をやるひとがいるものだから、草魚たちも集まってくるのだ。
鴨たちは草魚軍団にはたじたじのていで、取り巻くばかりでなかなかご馳走にありつけない。
おまけにオオバン、バンも集まってくるので、競争率はぐんと上がる。
その鴨たちも間もなく北へ帰る。今のうちに体力をつけておかなければ。

ルーチンということ

コーヒーのブレンドあらた水温む

いつものルーチン通りにものごとを済ませておくというのは心の安定につながるものだ。

これが、ちょっとでも狂うと後々まで気がかりを引きずってしまう。
要するにリズムが生まれない。

朝支度も最初にコーヒー用の水を湧かすところから始まらないとあとの要領が悪すぎて落ち着かない。
また、持病の予防薬は朝の洗顔後と決めているのだが、うっかり先に飲んでしまったりすると午前中はリズムに乗れないような気がする。
実際には、ルーチンを自ら乱すこと自体が体調のバロメータだったりするわけだが。