低調

百姓の鍬もて集ふ溝浚へ

何年か前に桜井市の磐余の辺りで、昔ながらの溝攫えを見たことがある。

農家集落で、めいめい家の得物をもちあい集まってくるのだが、町勤めの若い人のなかには刈り払い機をもったり、スコップやら鎌やらそれぞれ手にしたものにバラエティがある。
下水道も未整備地区のようで、昔ながらの深い側溝は蓋もされずにむき出しで、「どぶ」の匂いがきつい。
今の時代、こうした光景は珍しいものだが、やはり下水道が未整備のところは残っておるようである。
はんして、今朝は団地のクリーンデーと称す月一回の街の掃除日で、子供にはお菓子なども配られる平和なイベントでもある。
自治会活動も今季はご多聞にもれず低調で、コロナが機になる向きは無理に出ずともいいということで、宅配便の人としか顔を合わせない作者は無論欠席だ。

早々に退散

草抜きの鎌も持たされ溝浚へ

夏の間は一時間早まってスタートだ。

第二日曜日朝八時。毎月恒例の団地クリーンデー。
約30分ほど道路や側溝、空き地などのゴミを拾いながら指定の公園に集める。
舗道などに雑草も伸びる時期なので、ポリ袋、ゴミ拾いトングの外に鎌や草削りなども渡されてめいめい団地の各地に散ってゆく。
集積所では冷たいジュースやお茶などが待っており、それを目当てというわけではなかろうが若い世帯の子供連れも多く、家族のレクレーション的な遊びのノリで参加しているようだ。

一家族一人参加が最低条件なので、この仕事は亭主の私の役目。日差しも強烈に強くとても長時間はもたない身としてはさっさと済ませてさっさと帰るようにしている。