寒卵のぶっかけ飯

竹爆ぜて遠赤外線とふ焚火

竹炭を作るイベントに参加した。

県内には里山の耕作地が放置されて、林藪に覆われてしまったエリアが多くある。
そこで、管理を委嘱されたかたが竹林の整備を兼ねて、伐り出した竹でもってそれを炭にすることによって炭素を固定化する試みである。
無煙炭化器という、ステンレスでできた擂り鉢の底が抜けたような形をしたものに適当な長さに切った竹や木を放り込むと、鉢の中へ向かう対流が生まれ中心部が高温かつ酸欠状態になって炭化する仕組みである。
このたっぷり溜まった炭化物が放つ遠赤外線は強烈で、炎の高さに比べると比較にならない暖かさ。
ときどき雪が舞う中を寒さ知らずで終えることができた。
出来上がった竹炭は細かく砕いて畑の土にまぜると、炭の細かい穴が土壌菌の住処になったり、土壌の浄化にもなるらしい。幾ばくかをお裾分けいただいて試してみようと思う。
イベントでいただいたかまど炊きの熱々ご飯に平飼いのニワトリが生んだ文字通りの寒卵のぶっかけ。そのうまかったこと。
真冬のキャンプファイアも悪くない。

体感温度落差

お旅所の演技納めて焚火かな

今日はおん祭お渡り式の日。

若宮おん祭は12世紀に関白藤原忠通が長雨による洪水、飢饉、疫病蔓延がつづく世の沈静を願って春日大社摂社の祭神・若宮の力を得ようとはじめた祭だそうである。それ以後大和一国国を挙げて盛大に行われ、八百七十余年つづく。
家の中にいると比較的暖かい日だが、外は寒風が強く体感温度の落差が激しい。
まして、メイン会場は大社の参道になるので、大きな松の木にさえぎられて日が届かず、行列を待つだけで凍えてしまいそうだ。
見物客は着ぶくれて見ているからまだましだ。昔ながらの衣装の行列参加者は見るからに寒そうである。
そうして、行列の終着地点・御旅所のまん幕の裏側には、出番を待つ、あるいは演技が終わったものたちのために大焚き火が用意されている。直径十メートルはあろうかという深い穴に、これまた太い切株などが何本も焚かれて、その周りを男たちがまんぢりともせずに囲むのだ。その輪の外でも大焚き火は十分に暖かくご利益をさずかることができる。

インフルが流行っているという。今日はやはり炬燵を決め込んでこもっているほうがよさそうである。