しのぶ

白菊や終の紅さし美しき

何年ぶりの化粧だったのだろうか。

薄く紅を施してもらって安からかな寝顔だ。
あの寝顔を思い出すと、若かった母の和服姿が重なって見えてくる。

亡くなったひとはいつまでも美しい。