口上

盆礼の口上教へられしまま

小さい頃、と言っても小学生高学年の頃だが、たまに一人で親戚に行かされることがあった。

大阪の北の方からバスに乗って九条新道まで。さいわい乗り継ぎはなく途中天満橋などを通って一本だったような記憶がある。
親から挨拶はこう言うんだよと言い含められ、盆暮れの中元や歳暮を持たされることもあった。商売をしているせいか、比較的口やかましい親戚だったので、そう言うときはちょっと緊張などもした。
この親戚はやはり熊野の出だったので、いなかの慣らい通り中元と言えば素麺とか砂糖とかが多かったように思う。子供にとってはそれなりの重さはあったのだろうか。今となっては記憶も遠い。

この親戚とは、いまでは代が変わったりして疎遠になってしまった。