バネ

ライバルの勝相撲見る負け残り

思いもしなかった豪栄道が優勝した。

しかも、全勝である。本当によくやったなあと思う。
新入幕での圧倒的なデビューの印象が強かっただけに、その後の相撲には落胆していたが、今は珍しくなった泣き言を言わない力士だったようで、怪我のこともひとつも聞こえてこなかった。
勝相撲と言っても、かつてはインタビューでも「はい」しか言わない無口な力士が多かったが、今は外国出身力士ですらスラスラとよくしゃべることが多い。豪栄道の優勝インタービューでは、喜びも控えめに昔タイプの受け答えに好感をもてたが、そのなかでも苦節の日々の悔しさをもらす言葉が印象的だった。また、「やっぱりダメ大関と言われないように」とは心からの言葉であろう。こういうお相撲さんは好きだ。
稽古をしっかり積んで来場所につなげてもらいたいものだ。

いっぽうの、半年にわたる大関候補であった稀勢の里の綱取りは白紙に戻ったようである。
千秋楽に敗れたあと、勝ち残りでライバルの晴れの全勝優勝を見届ける気分はどうだったのだろうか。
来場所では、まだまだ反発力が残っていることを証明してもらいたい。

地政の要

天覧の相撲の先祖や歌まつり

秋場所開催中ですが、桜井市は相撲の発祥地とも言われています。

垂仁天皇の時代、出雲から呼ばれた野見宿禰(のみのすくね)と地元の当麻蹶速(たいまのけはや)が天皇の前で戦い宿禰が勝ったとされる話で、これが天覧相撲のはじめだとか。
桜井市の駅前には、「仏教口伝の地」とともに「相撲発祥の地」と大書された看板が目を引きます。
このほかにも市町村合併により桜井市は遺跡の多さを誇っていますが、立地的にも東・伊勢への入り口を背に東西南北交流の要にあり古くから栄えてきたことは容易に想像できるものがあります。