偏向者めいて

制服に笑顔のぞかせ社会鍋
怯む子の背を押しもし社会鍋

歳末になると駅頭などで見かける光景。

制服、制帽に身を固めた厳つい一団が居並んでいると、今まではいかにも偏向的思想にかたまったグループのような印象がぬぐえず、鍋に近づくにも気後れしたり臆するようなところがあった。
ところが、兼題に「社会鍋」をいただいたので調べてみると、この人たちは国際的なキリスト教団体の方たちで、日本人最初の救世軍士官・山室軍平は同志社で新島八重の兄、山本覚馬らから影響を受けた人らしいということが分かった。そして全世界レベルで布教活動と奉仕活動を行っている団体のようだ。
そう分かってみると今までの罪滅ぼしの意味も含めて、今度見かけたときには臆せずに貧者の一灯を捧げてみようと思うようになったのである。知らないこと、誤解していることはいくらでも出てくるものだ。