暮れかねる

飛行機雲綿になりけり秋入日

朝と日中の寒暖差が大きい日だった。

薄いとはいえ、やはりダウンジャケットだ。ちょっと歩いただけで汗ばんでしまうのには参った。
この日、先日の中学のクラス会で会ったT君と語らって秋の奈良を満喫した。朝から石上神宮の秘宝「七支刀」が目当ての「大古事記展」、三年ぶりに公開された正倉院、そして恒例の「正倉院展」をめぐればもう午後3時。家に帰り着く頃はまだ日が残っていて、きらきらと輝きながら西の方へまっすぐ伸びてゆく飛行機雲が、やがて風に流されて太い棒のように形を崩していく。