至る処

朱印所の縁にくつろぐ秋日和
朱印所は庫裡の縁なる秋日和

不退寺の朱印所は寺務所兼の庫裡の縁側である。
縁に座れば庭の草苑に様々な秋の句材が見えてくる。
集めた句材を句にしようとひとしきり縁で思考を巡らすが、ただ心地よい秋日に誘われてリラックスするばかり。
だが、意外に句友との会話の中にヒントをいただくこともあるので、雑談もおろそかにはできないものだ。
現に、昨日はそのような雑談や仕草のなかから佳句がいくつか生まれたようだった。
見逃さず句に仕立てたのはさすがの手練れで、学ぶことの多い一日であった。

すっきりと

雨樋の葉づまり浄む秋日和

夜来の雨がやんだ。
仮住まいは雨仕舞いがよほどひどいらしく、夕べは何十年ぶりかの雨漏りを経験した。
さっそく点検してみたが、どうやら雨樋が落ち葉などで詰まっているのが原因だったようで、それが家の中にまで浸透していたらしい。
一夜明けてていねいに取り除くことにしたら、貯まった雨水がすうっと流れていく。
快晴の天気のように気持ちまでもすっきり晴れた。

今日は、初めての浅草歩きの日である。

惜別ということ

暮るるまで別れ惜しめり秋日和

今日は身内の人たちとしゃぶしゃぶを囲み別れを惜しんだ。
ある年齢以上の者どうしにとって、別れというのは特別の意味をもつ。
たとえ今は元気であろうと、明日のわが身の保障がないからだ。
去りがたく最後はカラオケで盛り上がったあと、お互いの健康を案じつつお開きとなった。