看取る人看取らるる人秋簾
今年の9月は涼しい。
母が亡くなったのは2年前の10月だったが、いよいよ最後の覚悟を決めた9月はずっと暑く、ベッドのある部屋のエアコンを十分効かせていたはずなのに病人はしきりにそれを訴えるのであった。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
看取る人看取らるる人秋簾
今年の9月は涼しい。
母が亡くなったのは2年前の10月だったが、いよいよ最後の覚悟を決めた9月はずっと暑く、ベッドのある部屋のエアコンを十分効かせていたはずなのに病人はしきりにそれを訴えるのであった。
見らるともままよ火灯す秋簾
夏が終わる頃にかけた簾を、10月も半ばになろうとするのにまだ外せないでいる。
真夏日のぶり返しが数日続いているせいでもあるが、あたたかいお日様の恩恵にすがる時期にはまだ少し早いのでしばらくはこのままでいることになるだろう。
ただ、真夏の時期はともかくこの時期になってまで夜に室内が丸見えになるというのも困りものだ。カーテンを閉めるという手もあるが、それなら窓を開けておく意味はないし、爺婆のあられもない姿を恥と感じる「感性」もはなはだ希薄になってしまったゆえ、やっぱりしばらく放置を決め込むことにしている。
秋簾窓たたきおり南風
台風の余波だろうか。今日は南寄りの湿った風が強い。
簾を外すにはまだ少し早いのだが、しばらく様子見としよう。
曇り日のなほほの暗く秋簾
簾が風に雨戸に叩きつけられる音で目が覚めた。
陽はとっくに昇っている時刻なのに、曇りのせいか室内が暗い。
簾を外さなくては。