とき遅し

第七波収束見えず秋簾

三日連続の俄雨。

それも時間雨量にすれば50ミリはあろうかという、痛いほどの雨が全身を叩く。
今日の被害は乾燥と殺菌をかねて日光浴させてあった猫砂。突然の雨だったので虚を突かれた感じで、紙製の砂はあっという間に濡れてしまって半分ほどを廃棄することに。
それまではずいぶん傾いた秋日を簾で避けるようにして閉じこもっていたのだが、急を聞いて外へ出たときすでに時遅し。

耐用年数

さらばゆる暮らしぶり見ゆ秋簾

ホームセンターで買って何年たつだろう。

葦かなにかで作られたものは3年もすればすっかり色あせ骨もやせ衰えて、昼間からでも暮らしぶりがのぞくようになるものだ。まして灯点し頃ともなるともう目隠しとしての役割をはたすことは無理。おのずと暮らしぶりがまる見えの代物となる。
やはり、ちょっと高価でも昔からの竹製のものでなくては長持ちしないのだろう。スーパーの天津すだれの類いの耐用年数はいいとこ二年ということだろう。それ以上使おうと裏返したりするがやはり無理があるようだ。

買い換え

骨痩せてこれが名残の秋簾

簾をすかせて秋の日が随分奥にまで届くようになった。

古びた簾になると隙間が目立つようになって、室内からは外がよく透視できるようになる。その分、簾の機能が減じるわけで光りをより透過するようになる。
こうなるといよいよこの簾も今年で終わりで、来年買い換えねばと思うのである。

まだまだ簾

秋すだれ産後養ひをられける

台風がきたとき一旦外した簾を再び掛け直した。

秋簾は、秋になってもまだかけられている簾をいう季語だが、実感としては、だんだんと日が傾いてきて部屋の中まで日射しが及ぶようになってくると、それだけで室温が上がってしまうので参ってしまった。実際には、これからこそが簾の活躍時期であることを再発見した。
簾がはたしてどれだけ日射しをカットしているのかは知らないが、掛けてみると明らかに室内の気温上昇具合が違うことが分かる。
まだまだ簾には頑張ってもらわなければならない。

社務所

秋簾裡にご朱印授けらる

千年杉もあって境内は涼しいのだが、戸を開いたままのご朱印所には簾がかかっていた。

平日の神社は、訪れる人もまばらなせいか、ご朱印所には「ご用のときは呼び鈴を」と札が張ってある。
簾の奥をのぞくと、回っていない扇風機、衝立があってなかなか奥行きありそうな広さがある。
大声で呼ばると、なかから浅黄袴の禰宜さんが出てくれたので、ご朱印をお願いした。

補)27日送信したはずが完了してなくて。こんなこと初めてです。最後まで確認しなくちゃね。

「秋簾」再び

看取りする氣配はつかに秋簾
秋簾篤き病に辺せる
秋簾妣くさぐさの昔語り

所属結社12月号分提出の兼題句である。

主宰以外の選を受ける部門で、該当月担当の選者によって当然ながら傾向があるわけだが、基本はいいものはいいということだろうからあまり気にしないで出句している。
だが、月によっては苦手な兼題もあって、今月ももう一つ「野分」があってどうしてもできないので「秋簾」だけですますことになった。
ちょっと固い表現で、独りよがりなきらいなきにしもあらず、といったところか。

暑い秋

看取る人看取らるる人秋簾

今年の9月は涼しい。

母が亡くなったのは2年前の10月だったが、いよいよ最後の覚悟を決めた9月はずっと暑く、ベッドのある部屋のエアコンを十分効かせていたはずなのに病人はしきりにそれを訴えるのであった。