小雪ちらつく

種物屋この後家にして商売人

雲間から太陽が顔を出したり、かと思えば小雪がちらついたり。

忙しい天気である。
手許の気温計では7度。
冴返るというほどの寒さではないが、夕方になって暖房も入れないでいると猫たちが催促して騒ぎ出す。
人間たちは外出したりして体が温まっているので必要は感じなかったが、彼らをおとなしくさせるには止むを得ない。ようやく夕方5時になって床暖房オンとなる。
今日は猫のトイレ砂やシートを買いに出たのだが、ひと頃より五割くらい値上げしているのには驚いた。消耗品だからとぞんざいに扱ってきただけに、これからは一粒一粒、一枚一枚だいじに使わねばと思う。
この寒さは明日まで。もうしばらくの辛抱かもしれない。

女所帯

先代の嬶とりまはす種物屋

買い物ついでに種屋に寄った。

ここは一代で築き上げた名物先代が亡くなり、二代目となってちょっと遠いが広い敷地に移転した。
ときどき寄ってみるがそういう二代目の顔は一度も見かけたことはない。代わりに先代の夫人と思われる女性が店の真ん中にどでんと立って、客をてきぱきとさばいている。あとは長年務めているとみられる女性従業員が一名、アルバイト女性が若干という、女だけで切り盛りしているようである。
ホームセンターの園芸コーナーとはちがって、さすがに種屋の専門店であるだけに客の質問への受け答えやアドバイスの数々も安心感がある。
二代目は当初Facebookによる発信など新しいことも手がけていたようだが、今ではまったくその気配もなく一体どこへ行ったやら。修行のため外の飯を食いにやらせたのかもしれないが、今の女所帯で十分店を切り盛りできているのでしばらくは帰ってこなくても客は少しも困らない。