強い株に

中干しの空を精霊蜻蛉充つ

薄羽黄蜻蛉とも言うらしい。

盆の頃に群れて飛ぶ姿をよく見る。
毎日暑い暑いと言いながらも、秋の兆しがもう見られるということである。
中干しとは稲田の土用干しのことで、穂が出る前にいったん田の水を抜いて根をしっかり深く張らせ丈夫な株に仕上げるためである。この時期にひび割れした田を見ることがあるのはその土用干しの途中にあるのを見かけたためだ。連日の猛暑で湯のように沸いた田水を抜くことで土深く空気をいれるためでもある。
こうして強くなった株は二百十日にも耐えて収穫を迎えることになるのである。