ごしごしと

何枚か羽根代えてあり芋水車
野菜屑流れ来もして芋水車

芋水車の水はきれいでなくてはならない。

そういう意味では湧き水が豊富な町、しかもある程度流れが速いところ、つまり坂の町が理想的である。
畑から採ってきた土のついたままの芋を放り込んで川端に掛けた途端、さっと川の水を濁らせるが、それは瞬間のことで、たちまち元の澄んだ水がもどってくる。この状景を詠もうとして歳時記を開いたら、先人がすでにものにしていた。

芋水車かけし濁りのすぐに澄み 三隅含咲

閑話休題
芋洗い。樽に放り込んだ芋を、二本の丸太というか杭を交差したものを左右にごしごし揺さぶるもので、昔の八百屋でよく見たものだが、家人は見たことがないという。いろいろ説明するのだが、首をひねるばかりである。我らの世代なら誰でも知っていることかと思ったがそうではないらしい。