初夏

紫に波打つなぞへ芝桜

初夏の花がいっせいにつぼみを弾きはじめた。

躑躅の下の斜面には一面の芝桜。
十年ほとんど手入れもせずに少しずつテリトリーを増やしてきた。当初は何種類かを植えたのがしまいには一種類に絞られてしまった。この薄紫の株が一番環境に適していたようだ。
桐といい、藤といい、初夏には紫の花が似合う。

目論見

芝桜ふれて出勤したりけり

季節がひと月早いような気がする。

かつては連休の頃盛りを迎えていたと思うのだが、今年は今日あたりがピークとなっている。
散歩の途中とみられる老夫婦が足を止め、何やら言葉を交わしてはまた歩き始める。自転車で下る途中にちらと振り返る人もいたりして、年々人の注目を浴びるようになったものだ。
もうひとつ気づいたのだが、もともと三種類の苗を植えたのが、今年あたりはとうとうその内の一つだけとなってしまった。どうやら他の色のものを駆逐してしまったらしい。ということはこれは環境に合う強いものらしいので、花が終わったらさらに広くカバーするように移植もしてみようと思う。
天気がよくなってやることが山のようにあるので、果たして目論見通りいけばいいのだが。

はや晩春の趣

芝桜芝生と陣取りゲームかな

芝桜が開き始めて駐車場脇が明るくなった。

芝桜が斜面の下へ垂れるように成長してきて、いまや逆に芝生をさかのぼって上へも伸びる勢いだ。
芝桜というのは意外に乾燥に強く、石やコンクリートブロックに接していても負けず成長する力を持っている。
芝桜が咲いて庭を賑やかにしてくれる頃となると、もう晩春だという感を強くする。

春終盤

芝桜振り返り見て過ぎゆける

道路側に芝桜が咲き誇っている。

三種類ほど植えたのだが、やはり生来の強い弱いはあるようで、薄紫の株が枝を張ってのさっばている。
この種は香りもあるようで、顔を近づけるとかすかに甘い香りがする。
秩父の有名な芝桜の公園へ行ったことがあるが、芝桜には香りというイメージがなかったのであらためて驚いている。
よそのお宅さんでは、鮮やかな赤のものが多いように思うが、これも門前を過ぎるとき思わず振り返って見てしまう。
芝桜が咲けばまもなく藤、桐の季節。いよいよ春の大団円を迎える。
今日はしつこいほど動詞が並んだ句だ。

ピンクの絨毯

ゆきずりで道連れとなる芝桜

今、芝桜が旬ですね。

何年か前に秩父・羊山公園の芝を見に行ったことを思い出します。
意外に種類が多いんですね。今は9種類のものがあるようです。

一方、芝桜公園の元祖的存在といえば北海道の東藻琴なんですが、この近くにお住まいの方とあるツアーでご一緒したことを懐かしんでいます。