距離置いて

一木に幾組の倚り花の宴

一方通行で、しかも立ち止まってはいけないほど混み合う桜まつりは勘弁だ。

若いときは、積極的に賑わいを求めて一員に加わるのも悪くなかったが、さすがにもうその元気はない。
そこそこは本数がある桜を、「そぞろ歩き」でじっくり楽しむ程度がいい。
茣蓙を敷いて車座の宴もいいが、風があったりすると意外に寒かったりして、長くは続けられない。
理想は、ざっと桜狩りしたあとは、その桜がよく見えるカフェやホテルでワインを傾けたり、桜弁当を楽しむことではないだろうか。要するに、少しだけ距離をおいて眺めるのである。

一本の桜の木の下で、何組も陣取るような桜狩りはちょっとうるさくていけないかもしれない。