車窓の桜

リハビリの院の外なる花の雨

各ホームから送迎の車がひっきりなしにやってくる。

ここは総合医のクリニックで町のあちこちの老人施設からの受診者が目立つ。
ちょうど近所の桜並木も開き始めて三分咲きというところか。
不自由な身ながら院への行き帰り、車窓からの桜が楽しめたりすると医院通いも苦じゃなくなるにちがいない。
今日は三カ所ある駐車場がどこも満杯で、さてはきのうWBC観戦で休んだひとが大挙押しかけてきたんじゃなかろうかと思える。

混み合う

花の雨黄色い線の内までも

鉄道のアナウンス、結構お節介である。

典型的なのが、「雨の日は忘れ物が多くなっております。傘のお忘れのないようにご注意ください」。
おそらく、電車の忘れ物ナンバーワンは傘なんだろうが、昨今は使い捨ての傘など増えてさらに困ってる図が垣間見えるような木がする。
同じアナウンスでも、「電車が来ます。黄色い線の内側までお下がりください」などは、危険防止のうえでお節介とは言えないが、いちいちそんなことに気を配らなくて済むように、転落防止柵の設置こそ急いでもらいたいもの。
花の時期、人出も多くなっているところへ、雨とあってはホームは混み合う。そのホームをなお狭めるかに雨が吹き込んでくる。