墨田花火の思い出

川筋に近き花火のビル間より

一度だけ隅田川の花火大会に行ったことがある。

何十年前だろうか。
川筋の近くまで辿り着いたものの、ものすごい人混みでとても川縁には行けそうもない。
ただ、花火はごく近いのでビルの真上に揚がり、直径もビルの高さをとうに超えている。

しばらくは首が痛くなるほど顔を上げて花火を眺めていたが、やがてそれにも飽きて今度は喉の渇きを癒やすことに衆目一致したことは言うまでもない。

小さな花火大会

人呼ぶも甲斐なく果てし遠花火

夕べは町内の七夕まつりが行われた。

祭りの最後に大和川河原から花火が打ち揚げられたらしく、2階の書斎からよく見えたので階下の妻に声をかけ部屋に戻ったらもう花火は上がらなかった。わずか1,2分の出来事で、これがこの町の大きさに見合った花火大会なのかもしれない。