荒廃

雨あとの草みな伸びて茄子の花

ひと雨で景色が一変する。

庭もそうだが、耕作放棄地などにはどこも夏草がぐんと背を伸ばしている。たくましいと言えばそれまでだが、農耕をはじめてこの方、人類と草とは永年の戦いの歴史がある。草を抑えなければ作物はできないし、農業とは草との折り合いの歴史そのものであると言ってもいいだろう。
鎌などの農具も近代までは古今東西を問わず同じようなものが誕生している。現代はずいぶん近代化、機械化されてより迅速に、より短時間に、大量の作物生産が可能になった。
政府は大規模化を目指しているようであるが、零細な、細分化された農地が多いこの国ではたしてそれだけで農業再生ができるかどうか。見放された土地の荒廃がさらに進むだけのように思えてくるが。
インドを原産地とする茄子は水をもっともほしがる。雨がつづいて茄子の花がさらに増えたような気がする。

水配り

雨意はらむ風に震へる茄子の花

夕方からぽつぽつときた。

茄子の葉が打たれてときどき上下する。
胡瓜の大きい葉はひときわ大きく揺れる。
茄子も胡瓜も心待ちにした雨が今夜たっぷり降り出しそうだ。
震えるのは待ちかねた雨に体ごと反応しているにも思える。
周りの田んぼも下から半ばくらいまでは水が配られたようだ。
やり残した作業は今日も終わらず早めに切り上げることにした。

水が命とか

太き枝支柱に誘ひ茄子の花

いつもそうなんだが、前半までは元気がいい。

さて、これからとなるころに勢いが失速してしまうのだ。
肥料の問題なのかどうか、原因はよく分からない。
ただ、茄子は水が大事と聞いているので、プランターには水やりは朝夕様子を見ながら与えているが、すでに7月の気温だというので、毎朝毎夕たっぷりが必要なのかも知れない。