沢水の零るるところ著莪の花
乱れ咲き沢になだるる著莪の花
よく手入された杉林の裾一面が著莪の花で覆われている。
山から沁みだした水を受けた樋からはほとばしるように飛沫があがり山水が小流れに導かれてゆく。一方、ありあまった水は沢をうがち、その沢になだれ込むように著莪の花が乱れ咲いているかと思うとそのまま高見川へと咲き降りてゆく。
著莪はかなり古い時代の帰化植物だそうである。人工林である杉山に生えているということは、なによりここには古くから人の生活があったという証なのである。
著莪の咲くすなわち人の営める