火もまた涼し

薄衣の自転車こぎゆく寺の町

奈良町の坂道をごく涼しげに自転車を漕いで行くひとがいる。

薄物の法衣を来た壮年の僧侶で、昼の法事にでも呼ばれているのだろうか。
炎天下をものともせず颯爽とさりゆく姿は、さすがに修行した人にちがいなく、火もまた涼しの境地なんだろうか。