昃りて藁塚影を失へり
大和郡山辺りも稲刈りが始まったようだ。
刈田の間に乾びた金魚田が点々とあるのはいかにも郡山の風情。
多くは機械で刈って細かく裁断された藁が散乱したままだが、なかには藁ぼっちを組んで干しているのもある。心棒を立て堆く組んで干すと言うより、乾けばすぐに回収できるように、束ねた藁を扇形に拡げてあるだけのものがほとんどである。畑の敷き藁に使ったり、庭木の保護などに使うのであろう。
高く組んだものは冬越しをさせて、堆肥などとして利用するため長期間その場で立っているのだが、化学肥料に頼るいまの農業ではそのような光景はもう珍しい。
簡易藁塚は年内に姿を消してしまうのが通例である。