スコップのうながす藷の赤さかな
リハビリを兼ねた藷の試し堀。
藷の太りの充実期の夏の暑さと水不足のせいだろうが、生育はあまりよくない。
藷は痩せた土に育ち、一度植えたらほとんど手のかからない親孝行な作物であるが、さすがにあの暑さは堪えたのだろう。それにいくら乾燥に強いとはいえふた月も雨が降らなくては植物として体を維持することもままならないはずだ。
今は、しゃがみこんだ作業の継続や、そこから立ち上げるのがやっとの体力なので一苦労であるが何度か繰り返しているうちにだんだんと体力も戻ってくることを期待している。
藷のありそうなところめがけてスコップを刺していくのだが、そのとき藷を傷つけてしまうこともよくあって慎重にポイントを探る必要がある。最近分かったことだが、たいていは方向を決めて斜め差ししており、根のはえない苗の先端あたりには藷ができないので、そこを目指して刺すのが無難のようである。
三十センチほど地中に剣先を突き立て、梃子の要領で根こそぎ持ち上げるとあざやかな赤い色が浮かび上がった。