とりこ

蜘蛛の囲の一輪封じゐたりけり

小山梔子の生け垣が見事である。

よく刈り込まれているが、よく見るとところどころ蜘蛛の巣が何重にも張られている。
なかに、虫ならぬ山梔子の花が一輪取り込まれているのもあった。
取り込まれてはいるが、あの香りには間違いがなかった。

ヴィクティム

蜘蛛の囲の破綻見せざる相似形

花菖蒲も終わり、何か咲いてないかと歩いてみた。
蜘蛛の囲

萎れかけた未央柳金糸梅の群れがあったので、写真に撮れるような花がまだ残ってるかどうかのぞいてみると、見事な巣をかけたジョロウグモがいる。
不用意にマクロレンズをぐっと近づけると敵はすっと逃げてしまって、気がつくと巣にはまゆのようにすっかり白い糸に包まれた哀れなヴィクティムがぶら下がっているのだった。