子と言へど血の気引かるる蝮かな
忘れたころに遭遇するもののひとつに蝮がある。
草が生い茂っていたお隣の区画に鎌が入ったせいか、小さな赤褐色の蝮の子が這い出てきた。はじめはミミズでも掘り出したかという程度にしか思わなかったが、どうもどこかおかしい。
そう、頭があるのである。これは色、形からして蝮の子に違いないと気づいて思わず飛び上がってしまった。
敵も子供とは言え早足である。草むらにまたたく間にかき消えてしまった。
あらためて野良では長靴、長袖、そして手袋。たとえ暑くても肌をむきだしにしては危険と言うことを再認識した。先日もイタチを見かけたし、周りが田圃に囲まれていれば蛙やそれを捕食する鷺はもちろん、蛇だって潜んでいることを肝に銘ずるのであった。